皆さん、こんにちは!Ed “SapMagic” Altorferです。ランクについてもう一度お話ししたいと思います。最新のビデオでは、ポジションランクの仕組みと2段階での導入計画、そしてプレイヤーによるシステム悪用の対応策について説明しました。今回の投稿では、プレイスタイルによってポジションランクがどのように作用するかと、私たちがポジションランクをどのようにテストしたかについてご説明します。
シミュレーション:オンライン
ランクの大きな問題は、不慣れなポジションでの試合では勝てる可能性が低く、面白みや公平性も欠けると感じられることです。常にメインのポジションをプレイできるわけではないので尚更です。そして仮に「どこでもオプション」を廃止したとしても――そうすることにより皆さんの対戦待ち時間は3倍ないし4倍は長くなります――気分転換に別のポジションをプレイしたくなった場合に、チームを不利に陥れてしまいやすくなります。これらの問題は、ポジション別にスキルを追跡・表示することによってどちらも対処可能だと考えました(つまりはこれがポジションランクです)。また、こうすることでポジションごとの自分の技量を客観的に知ることもできます。
ポジションランクの導入には、マッチメイキング、MMR、およびランクに対する大規模なアップデートが必要で、確実にバグを発見するには数千、場合によっては数百万の試合がシステム上でプレイされる必要があります。実装せずにこれを行うのは不可能であるものの、ランクシステムのオーバーホールは可能な限りスムーズに行わなければなりません。これを実現するため、私たちは新たなツールを開発して膨大な数の過去の試合をリプレイできるようにし、結果としてうまく機能すると自信を持てるようになりました。あとは、試合に紛れ込むバグが減少していればと願うばかりです。
これらのツールを使えば、例えば昨シーズンと同じようにプレイした場合に、ポジションランクがどのようになるかをシミュレートできます。具体的にイメージしていただけるよう、以下にいくつか例を挙げます。
通常、ミッド/トップで対戦待ちをするゴールドVのプレイヤーの場合
ランクは昨年とほぼ同様ですが、別のポジションをプレイした場合に昨年よりも勝算が高いと感じることができ、そのポジションでの腕前も明確に把握できるようになります。
それでは、昨シーズンはゴールドVで、普段はミッド/トップ(世界的に最も人気の高い組み合わせです)で対戦待ちすると仮定しましょう。最初の50試合のうち34試合をミッドで、13試合をトップで、そして「どこでもオプション」により3試合を別のポジションでプレイしたとします。
一番最初のミッドの試合の結果、暫定ランクはブロンズIとなりました。少し低めですが残り7試合ありますし、今年の振り分け戦ではLPを失うことはないため、この先は上昇あるのみです。振り分け戦終了時の記録は4勝4敗、シルバーIIIという結果でした。ゴールド昇格戦では圧勝し、50試合戦った時点でランクはゴールドIIIまで昇格しました。
トップも似たような成績でしたが、ミッドより若干低いランクからのスタートとなりました。振り分け戦を完了し、その後数試合プレイした時点でのランクはシルバーIIでした。その他のポジションではランク獲得に十分な数の試合をプレイしていないため、フレンドがあなたのプロフィールで確認できるのはミッドとトップのランクのみです。
サブポジションと「どこでもオプション」で対戦放棄した場合は?
スプラッシュは、各試合で獲得または喪失したLPを別のポジションに“波及”させることにより、反復的な作業感を最小限に抑えつつ、ランクの競技性を保ちます。さらに、LPを失う場合のスプラッシュはプレイしているポジションの直近の試合を基に変わります。
上記の例でいうと、サブポジションおよび「どこでもオプション」の16試合の多くを放棄した場合、マイナスのスプラッシュが大きくなって、ミッドのランクに悪影響を及ぼすようになります。一方、サブポジションや「どこでもオプション」で勝利した場合には、メインポジションへのスプラッシュが増大します。ですので、ランクアップを目指すのなら、他のポジションでの試合でも精一杯戦って勝利することが一番の近道です。
通常、サポート/ミッドで対戦待ちをするブロンズVのプレイヤーの場合
ランクは昨年とほぼ同様ですが、チームの勝機を下げることなく新たなポジションをプレイできます。
次は、普段はサポート/ミッドで対戦待ちをするブロンズVのプレイヤーの場合について見ていきましょう。最初の試合でアイアンティアのいずれかに配置され、振り分け戦を終えた時点でアイアンIIIに落ち着いたとします。「どこでもオプション」が適用される頻度は低めになるため他のポジションからのスプラッシュは減少しますが、メインのポジションをプレイできる確率自体が高いため、ランクアップに支障が出ることはありません。
その後、サポートのフレンドとプレイする時に備えてミッドの腕を上げたいと考えたとします。その場合、ボットレーンでプレイしていた時よりも対戦相手が弱いことに気が付くことでしょう。これは皆さんにフェアな試合を楽しんでもらうためで、どんな相手が相応しいのかは現在プレイしているポジションのスキルによって異なるからです。
常に一番苦手なポジションで対戦待ちをして、その後一番得意なポジションに入れ替える場合はどうなるでしょうか?
マッチメイキングはプレイヤーが指定したポジションを基に行われるため、チャンピオン選択時に別のプレイヤーとポジションを入れ替えると、一時的に有利になる可能性があります。時折そうする程度なら大して問題ではありませんが、何度も行えば対戦の公正性に害を及ぼすことになりかねません。
この課題に対処するため、私たちは新たな技術を導入しました。これは昨夏からノーマルドラフトでテストしていたもので、皆さんが実際にプレイしたポジションおよび入れ替えの有無を正確に検出できるため、繰り返しポジションの入れ替えを行うプレイヤーに対しポジション間のMMRのリンクを強めることができます。結果として、これまで入れ替えを行ってプレイしていたポジションに、よりレベルの高い相手が当たるようになります。
通常、「どこでもオプション」で対戦待ちをするシルバーIIIのプレイヤーの場合
すべてのポジションで着実にランクアップしますが、個々の伸びは昨年よりも時間がかかるようになります。
それでは、すべての試合で「どこでもオプション」で対戦待ちをし、昨シーズンはシルバーIIIに到達したプレイヤーの場合はどうでしょうか?この場合、あらゆるポジションでプレイするため、どれかのポジションの振り分けが完了するまでに必要な試合数は若干多くなりますが、最終的にサポートとジャングルでブロンズIIIあたりに振り分けられたとしましょう。
「どこでもオプション」で対戦待ちをした場合、プレイしたポジションのLPを獲得した上で、ボーナススプラッシュによるLPも獲得できます。勝利した場合に通常は別のポジションに3 LP獲得できるところを、「どこでもオプション」を選ぶプレイヤーは7 LP近く獲得できるのです。つまり、最も頻繁にプレイするポジションは非常に早くランクアップしつつ、他のポジションでもランクアップできることを意味しています。
通常、トップで対戦待ちをするマスター上位のプレイヤーの場合
暫定ランクの上限はプラチナIですので、非常にスムーズにランクアップし、振り分け戦終了時にはダイヤモンドまで上がることができるでしょう。
最後に、昨シーズンでマスター上位だったプレイヤーについて考察してみましょう。以前は振り分け可能な最高ランクはプラチナIでしたが、今シーズンからは暫定ランクの最高がプラチナIになるので、ダイヤモンド到達に向けてもうあと7試合プレイできるということになります。
より上位のティアにランクアップするにつれ、ポジションごとのマッチメイキングが試合に与える影響は少なくなります。マスターに昇格すると、ポジションランクはランキングを基にした単一のランクに統合されます。
2週間が経過する頃には、今シーズンから登場するグランドマスターのスポットを勝ち取ることでしょう。さあ、次に目指すのはチャレンジャーです。
ランクアップするのに忙しすぎて投稿を読む時間がない方のために
振り分け戦における明確なフィードバックやマッチメイキングの改善、ランク精度の向上、スキルレベルを問わない節目と意義のある目標、深く継続的なやり込みを評価することなど、ランク戦の体験向上に向けて私たちは様々な試みを行っています。
これまでの投稿は以下のリンクでお読みいただけます。
投稿1:/dev:2019年に行われるランクシステムへのアップデート
シリーズ最初の投稿は2018年の4月までさかのぼります!皆さんと議論を始めるために、この記事の中では2019年のランクについて全体的な目標とプランをご紹介しました。
投稿2:2019年ランクシステムへの変更プランに対する皆さんからのフィードバック
この投稿では、私たちの掲げた目標と変更プランに対して皆さんからいただいたフィードバックをまとめています。
投稿3:/dev:2019年ランクシステムへのフィードバックに応えて
この投稿では、皆さんからの最初のフィードバックに基づいて実施した、ポジションランクに対する調整の詳細をお話ししました。
この投稿では、地域限定のプレビューから徐々に他の地域に拡大していくという、ポジションランクのリリース計画をご紹介しています。
投稿5:/dev diary: 2019年 ランクの新しいティア&振り分け戦
このビデオでは、新たな振り分け戦のシステムとアイアンおよびグランドマスターティアを追加する計画について、Primus、Thiago、そして私Edがその詳細を説明しています。
この投稿では、ランクシステムへの変更によりトップティアにどのような影響が出るのかについてお話ししています。
投稿7:/dev diary: 2019年 ランクの褒賞とスプリット
このビデオでは、3つの「スプリット」に分かれたシーズンの仕組みと褒賞の獲得方法についてお話ししています。
この投稿では、「スプリット」とシーズン褒賞の獲得方法について皆さんから寄せられた多くの質問にお答えしています。
このビデオは、今回の/devブログを補完するものです。ポジションランクを導入する理由やその仕組み、そして各ステージへの導入方法について詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
投稿10:/dev: 具体例で考えるポジションランク
いま皆さんが読んでいる投稿です。この調子で頑張りましょう!
今回の投稿はかなり濃い内容となっていますが、最後までお付き合いくださりありがとうございます。いつものようにフィードバックをお待ちしていますので、懸念やご意見をコメント欄にお寄せください。もちろん、下の「Ask Riot」ボタンから質問をしていただくのも大歓迎です。いよいよ1月24日から始まる新シーズンで、みなさんに新しくなったランクを体験していただくのを楽しみにしています。プレイしてくださりありがとうございます。サモナーズリフトでお会いしましょう!