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/dev diary:ポジションランクの詳細

2019年導入予定の“ポジションランク”の概要と、皆さんからいただいた質問についてお話しします。

洞窟探検中で今すぐ動画を見ることができない方は、以下の書き起こしをご覧ください。

はじめに

Ed “Sapmagic”: 皆さんこんにちは。もうすぐシーズン開幕ということで、戻ってきました!ランク戦チームのリード、Edです。

Riot Gortok: 同じくランク戦チームのリードゲームデザイナー、Primusです。

Sapmagic: 開発ブログで最後に「ポジションランク」について触れてからしばらく経ちますから、今日はその重要性、具体的な内容、今後の導入計画の順にお話ししていきます。ではさっそくスタートです。

「ポジションランク」の基本

Sapmagic: ポジション選択の導入以来、メインポジションをプレイできる確率は上がりましたよね。それは良いことだと思います。というのも、別のポジション…特にどこでもオプション発動時のポジションでは、習熟度が低くて勝ち目が薄いと感じることがあり得ますから。一方でどこでもオプション自体を削除すれば全員の対戦待ち時間は3倍、下手をすれば4倍になってしまいます。そこで私達たちは「どうすれば公平な試合が組めるか」という課題に取り組むことにしました。

Riot Gortok: 「ポジションランク」を導入すると、各プレイヤーは通常のレーティングとポジションごとのランクを持つことになります。つまりシステム側であなたの各ポジションにおけるスキルがより正確に把握できるようになるため、どのポジションで対戦待ちしていてもこれまでより公平な試合を組めるようになります。そして試合の終了後はプレイしたポジションにLPが加算され、さらに他のポジションのランクにも若干のスプラッシュ(波及効果)を及ぼします。これはひとつのポジションで上達するということは、スキルの一部が他のポジションでも活用できるはずだからです。

Sapmagic: ポジションごとに異なるレーティングがあれば、たとえばマルザハールミッドしかプレイしないプレイヤーが新しい刺激を求めてジャングルに転向してみても、不公平なほど厳しい試合に放り込まれずに済みます。同様に、自チームにどこでもオプションで入ったチームメイトがいても、勝ち目がない試合になることは減るはずです。そして何より、ポジション別にランクが設定されるため、自分のメインポジションにおける実力が正確に分かるようになります。

「ポジションランク」のプレビュー

Sapmagic: チーム一同「ポジションランク」の導入を楽しみにしていますが、とても大掛かりな変更なので入念な準備と計画、そして何よりも皆さんからのフィードバックを聞く体制を整えておきたいと考えています。ポジション別マッチメイキングについては正式導入に備えるべく昨年の夏からノーマルドラフトモードでのテストを開始しており、今までのところ有望な結果か出てきています。具体的には、対戦待ち時間や第一希望ポジションの獲得率を犠牲にすることなく、メイン以外のポジションでの勝率を大幅に高めることができました。しかしこの変更はマッチメイキング全体に対するアップグレードとなるものなので、ランク戦に求められる競技性をきちんと確保できているかどうかを実際にプレイした皆さんからのフィードバックを通じて確認する必要があります。このため「ポジションランク」については、正式導入に先立ってプレビューを実施することにしました。

Riot Gortok: ポジションランク」はシーズン開幕時より韓国と北アメリカでプレビューを実施し、シーズン最初のスプリットを通じて状況を観察していきます。この期間にプレイヤーからのフィードバックを募りつつ、見つかった課題の解決に取り組み、システムの調整を続けていきます。たとえば、勝利時・敗北時に生じる他ポジションへのLP「スプラッシュ」の量については調整が必要になってくるでしょう。なお、これ以外のランク戦変更点(振り分け戦、ティアスプリット、褒賞など)はシーズン開幕時に全サーバーに導入されます。「ポジションランク」プレビュー実施地域を北アメリカと韓国に決定した理由は、まずどちらも世界レベルの競技性を有した地域であり、そして北アメリカを含めることで開発チームが実際にプレイでき、またプレイヤーからのフィードバックを直接聞ける機会をより多く得られるからです。

Sapmagic: プレビュー期間中は皆さんが実際にプレイした経験から出てくるフィードバックにしっかりと耳を傾けていきます。一方で、対戦待ち時間やどこでもオプションの発動率、試合の公平性を含む全体的なシステムの安定性やマッチメイキングの健全性についても目を光らせていきます。そしてシステムの悪用事例についても調査をしていき、見つかった事案の修正にも努めていきます。

Riot Gortok: またポジションごとのランクと現在のランクの履歴は全地域分保持していきます。これは技術的な問題やそれ以外の問題が生じた場合に、プレイヤーの皆さんが費やした労力を巻き戻すことなく可及的速やかに復旧するためです。

Sapmagic: 本件については、進捗状況やフィードバックに基づく変更予定について毎月お知らせしていく予定です。内容としてはシステムの調整、悪用事例防止や競技性保持のための新機能の紹介になるでしょう。そして最初のスプリット終了時には、ランク戦の統合のお知らせと、全地域における導入内容の詳細をお知らせすることになると思います。最後に…私たちは「ポジションランク」がランク戦システムのマッチメイキング全体にとって有意義なものになると確信していますが、先に、正直に申し上げておきます。万一このシステムが機能しなかったら、私たちは元のシステムに戻しても構わないと考えています。それでは、皆さんが実際にプレイし、新システムがしっかりと機能することを心から楽しみにしています。ぜひたくさんのフィードバックをお送りくださいね。

皆さんからの質問について

Sapmagic: 「ポジションランク」については、昨年プレイヤーの皆さんの間で実に多くの議論が交わされてきています。そこでここからは頻出していた質問についてお話ししていきたいと思います。

Q: ポジションランクはかなり「悪用可能」に見えます。メインじゃないポジションに当たったプレイヤーがチームメイトとポジション交換するとか。たとえばダイヤモンドIのトップレーナーがどこでもオプションでプラチナIIIのジャングルに入って、そこでデュオ相手やチームメイトとポジション交換してトップに行くことも可能ですよね?

Riot Gortok: まず私たちは、戦略的合理性があるアクションについては自由にやれる環境を維持したいと考えています。現時点でも実際に行われていますし、ここを規制するつもりはありません。なので、各プレイヤーのプレイ状況やポジション交換履歴をしっかりと把握していきます。そして極端な頻度でポジション交換をしていることが確認された場合は、マッチメイキングの精度向上のためにポジション間の関連性を強くしていき、そのプレイヤーの「最高ランクのポジションで最も競技性が高くなる」試合を組むようにしていきます。

Sapmagic: そうですね。これに関連する話だと、ポジションが割り振られた後のチャンピオン選択画面や試合開始直後に他プレイヤーとポジションを交換しても、試合終了後にLPが増減するのは実際にプレイしたポジションのランクです。結果として、「圧勝」時の獲得LPは少ないのに、敗北時の喪失LPは多くなります。

Q: 新システムでは旧システムよりもランクを上げるための作業感は増すでしょうか?たとえば、2018年の5倍くらいプレイしないと同じランクに上がれないとか?

Riot Gortok: 新システムには、メインポジションをプレイしていくことで他のポジションのランクが上がりやすくなる仕組みが複数個用意されています。まず「スプラッシュ」。これで他のポジションのランクはシステムが適切と考えるところまで上昇します。加えて最高ランク(メインポジションのランク)が上がっていくと、他のポジションをプレイするときの「指標」として機能するようになり、他ポジションのランクを上げようとした時には最高ランクに追いつくまで少しボーナスが付与されるようになります。ですから2番目、3番目以降のポジションでランクを上げるのは容易になります。

Q: メインポジション以外を引いた試合がメインポジションのランクに大した影響を及ぼさないのならば、どこでもオプションが発動したらフィードしたり降参したりして試合をさっさと終わらせ、早く次の試合でメインポジションを引けるようにしたほうが良いのでは?

Sapmagic: これは昨年プレイヤーの皆さんから寄せられた意見の中でもトップクラスの懸念で、ランク戦チームがずっと取り組んできた課題でもあります。

Riot Gortok: 懸念以上のものだよね。

Sapmagic: 確かにそうかもしれない。対策は…正直なところ「スプラッシュ」です。試合の勝敗が他のポジションのLPに波及することについてはもうお話ししましたが、この施策には良い点と悪い点があり、私たちとしてはメイン以外のポジションで精一杯努力しているプレイヤーが損をするようなことは避けたいと考えています。このため「スプラッシュ」はかなり少ない状態からスタートします。私たちが解決したいと思っている課題は、キューに入ったプレイヤーが降参やフィードをするようなシステム全体の崩壊、そしてプレイヤーが適正でないスキル帯に置かれる状況です。あるポジションのランクが実際のスキル帯よりも高くなってしまい、そのポジションでは負け続きになってしまうような状況が生じてしまうと、負けが続いてプレイの質が落ちていってしまった場合に他ポジションへのスプラッシュが大きくなって、結果的に上を目指しているポジションへの悪影響が大きくなったり、評価が不正確になったりしてしまいますから。

最後に

Sapmagic: まずはチームを代表して、質問・フィードバック・感想を寄せてくださったことに感謝いたします。ランク戦が過去1年で大幅に改善することができたのは、ひとえに皆さんの協力のおかげです。プレビューの経過もどんどんお知らせしていきますので、引き続きフィードバックよろしくお願いします。それでは振り分け戦での武運をお祈りしつつ…またサモナーズリフトでお会いしましょう!

ポジションランクの詳細─“どこでも”でプレイする場合、ミッドメイン、システムの悪用、などなど─についてはこちらの開発者ブログもあわせてご覧ください。そしていつも通り、フィードバックは大歓迎です。コメントか、下のAsk Riotボタンからご意見をお知らせください。

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