今週はゲームプレイ関連の質問特集です。
特定のエレメンタルリフトで勝率が上下するチャンピオンは存在しますか?たとえばレンガーの勝率がオーシャンで上がるなど?
総合的に見てエレメンタルリフトは勝率に大きな影響を与えていません(最大1%程度)。新しいレイアウトに適応してプレイする必要性を作りつつ、一方のチームにとって極端な有利・不利を生み出さないのは理想的な状態だと考えています。
もう一つのバランス調整要因としては、マップ密度が上がり、視界の確保できないエリアが増えるエレメント(オーシャンとマウンテン)では奇襲をしかけやすく、さらにバフの効果も防御性能を高める点があります。ただしこのバフは終盤に向かうにつれて相対的に価値が薄れていきます。
そしてオーシャンエレメントと相性抜群と思われていたレンガーですが…オーシャンマップでは僅かに成績が落ちる(英語ボード)という結果が出ています。彼が最も活躍しているのはインファーナルマップで、これはバーストダメージの出る彼のキット(スキルセット)とダメージバフの相性が良いためと思われます。とはいえ、そんなレンガーでもマップ別勝率は最悪のマップで-0.25%、最高のマップで+0.31%となっており、どのマップを引くかよりもどうプレイするかのほうが強い影響力を持つことを示しています。
オムニストーンはどういう経緯で作られたの?
まずは「ねこばば」を削除した理由からお話ししましょう。このルーンは本来、入手できる消耗品をうまく活用しながら長期的にゴールドを稼いでいくルーンとして作成されました。しかしシーズン8の終わり頃になると、「ねこばば」は高頻度でルーンを発動できる一部のチャンピオン以外では選択肢にも入らないルーンとなっていました。このためシーズン9ではルーン制作意図のひとつに注力し、理想的な状況さえ訪れればエズリアルやガングプランク以外のチャンピオンでも有効活用できるものにしようと試みました。
リーグ・オブ・レジェンドにおける消耗品アイテムはそれほどワクワクするものではないので(基本的にはステータスか回復効果しか付与しません)、私達は「ねこばば」をレーン戦でのゴールド有利を作りたい場合に取るルーンにしようと試みました。この試みは「退屈なファームレーンを壊す時に取る」という戦略を間違いなく生み出しましたが、その結果として対戦相手を不遇すぎる状況に置くこととなってしまいました。攻撃射程の短い側がひたすら不利を背負うことになったのです。
「ねこばば」をゴールド稼ぎルーンとして維持することは避けたい。しかし過去に採用していた消耗品アイテムを使わないとしたらどうしたら良いか?突き詰めていくと、大規模な変更は不可避でした。
最初に模索していったアイデアは、より短期的なスパンでボーナスを付与する仕組みでした。既存の消耗品アイテムを使うという制約を取り払い、ゲームプレイとして満足のいく内容にするにはどうしたらいいか?チームは試行錯誤を繰り返し、一定水準を満たす案にたどり着きます。これは明確な強みを持つ5つのバフが1分ごとにひとつ付与されるというものでした(茂みから出た時にダメージと移動速度が増加するバフ、オブジェクトにボーナスダメージを与えるバフなど)。しかしチームは、この種のバフをルーンに組み込むとシステムの複雑性を高めすぎることも理解していました。そこで自然な流れとして、他のキーストーンルーンを付与するという案にたどり着いたのです。この案であれば、新要素がないので複雑性を押さえられる上、プレイヤーには獲得したルーンを活かす戦略性も提供できます。
またオムニストーンは「特定チャンピオン向けルーン」ではなく「特定プレイスタイル向けルーン」という方向性に向けた一歩でもあります。好んで使ってくれるプレイヤーがいることを確信している一方で、この種の「ミニゲーム的」要素は誰もが歓迎するものではないことも理解しています。オムニストーンは今後、「取らないとマズイ」というようなプレッシャーを負わせないルーンにすることを目指しています。この目標はまだ達成できていませんが、幸いなことにリーグ・オブ・レジェンドは定期的にパッチをリリースするゲームです。新ルーンシステムの導入以後、キーストーンとチャンピオンの組み合わせは切り離せない側面が強くなり、実質的に選べるルーンが限られることも多く、プレイヤーに選択肢を提供するというルーンシステムの目指す姿は実現できていませんでした。オムニストーンが、この状況を打開する最初の一手になることを切に期待しています。
アフェリオスの習熟曲線はどんな風になりますか?
良い質問ですね!でも、議論の余地がある質問でもあります。まずは「習熟曲線」についてお話ししましょう。これについては以前Meddlerがゲームプレイについて語ったボード投稿で少しお話し(英語ボード)していますが、改めて。
「習熟曲線」とは、プレイした試合数に応じて、そのチャンピオンをどれくらい効果的にプレイできるようになるかを示す曲線です。多くの場合、この曲線は30試合で「慣れた」プレイヤー、100試合で「マスターした」プレイヤーとなるように配慮しています。
一部のチャンピオンは「慣れた」プレイヤーになる過程で大きく習熟度が上がります(たとえばゾーイやアジールを30試合プレイすると最大で11%も勝率が上がります)。この種のチャンピオンには難易度と失敗率が高いプレイパターンがあり、繰り返しプレイしていくことで失敗率を下げ、急速に優れた成果を挙げられるようになっています。一方、それ以外のチャンピオンは失敗の余地が小さいため、逆に習熟曲線も緩やかになっています(たとえばヴァルスやブランドは2~4%程度しか勝率が上がりません)。
多くのチャンピオンは30試合をプレイした後に習熟曲線がなだらかになり、繰り返しプレイしていってもあまり上達が実感できなくなります。しかしそれ以降も経験(時には100試合、200試合以上)を重ねていくことで大幅な習熟度上昇が生じます。極めて主観的な意見にはなりますが、この段階まで来てプレイヤーはチャンピオンを「マスターする」のでしょう。最初の30試合は「扱い方を理解する」段階であり、失敗率を下げることを主眼に置いています。そして基本を理解して失敗しなくなってから100試合をプレイする間にプレイヤーはチャンピオンを「マスター」し、キット(スキルセット)を余すところなく活用できるようになるのです。
リーグ・オブ・レジェンドには30試合までに習熟度が急上昇し、100試合までの習熟曲線がなだらかになるチャンピオンもいれば、その逆のチャンピオンもいます。以下に、その違いをデータで示してみましょう。なお、ここでは差を明確に示すために30試合時点と200試合時点のデータを用いています。
- レネクトンの勝率は最初の30試合で4%上がり、その後の170試合でさらに4%上昇します。
- アニビアの勝率は最初の30試合で最大10%上がりますが、その後の170試合では最大2%しか上がりません。
- レンガーの勝率は最初の30試合で8%上がり、その後の170試合でさらに7%上昇します。
ではこれらの情報を踏まえてアフェリオスについてお話ししてみましょう。何度も言われている通り、アフェリオスは極めて高難易度のチャンピオンです。専門の担当者たちは、彼の勝率は最初の30試合で10~12%上がり、100試合までにさらに4~5%上がるだろうと予測しています。つまり、彼の習熟曲線はリーグ・オブ・レジェンドで最も急勾配なものになると予測されているわけです。
しかし先述の通り、ここには議論の余地があります。彼は他の高難易度チャンピオンと比較して非常に失敗しにくいキットを持っているため、個人的には最初の30試合における勝率上昇はもっと緩やかになると考えています。言い換えれば、普通のマークスマンのようにプレイしても一定の成果を挙げることができるのです。一方で、すべての武器を十全に理解し、武器の順序を把握し、事前に計画を立てる/状況を瞬時に把握して意思決定するのは極めて難しく、そこに至ることができたプレイヤーは長期にわたって活躍できるようになるでしょう。だからこそ私は「アフェリオスは100試合、200試合以降も習熟曲線が上がり続けるチャンピオン」であり、リーグ・オブ・レジェンドで最もマスターしがいのあるチャンピオンになると考えています。
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