ある時点におけるニーコのアルティメットスキルは、広範囲（確か、範囲2000）に設置可能で、かつ、準備に時間がかかるものの大ダメージを与えることができる“トラップの巣”でした。どのように使うかというと、敵が向かうと思われる場所にトラップを設置して、その敵の味方に擬態してトラップの位置まで誘導するのです。でもニーコの対戦相手にしてみれば、ニーコがどこにトラップを仕掛けたのかまったく分からないため、どこへ行くのも躊躇せざるを得なくなる非常にうっとおしいスキルでした。

「ヴァスタヤ族のカメレオン」というアイデアが浮かんだばかりの頃のニーコは、そのコンセプトまんまの見た目をしていました。開発初期の彼女は今よりもずっと野性的で、文明からも遠く離れた印象でした。でもそんなニーコが今のような見た目に進化したのは、彼女が実際に絶えず他の人間に擬態して学習し続けていたからです。そんなわけでニーコの野性味は薄れ、より人間的な見た目になったのです。

Skekses：「カメレオンのヴァスタヤ族」というコンセプトを企画した当初、僕のインスピレーション源のひとつは、映画『フィフス・エレメント』のキャラクター、リー・ルーでした。彼女が学習する様子や動作、そして好奇心旺盛なところが大好きなんです。

FauxSchizzle：性格的な面では、スターファイヤー、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のマンティス、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のイレブン、X-23、スティッチなど…、ものすごい潜在能力を秘めているのに突飛でちぐはぐなキャラクターからインスピレーションを得ています。彼らはしばしば自分で思っている以上の強さを見せますが、心根は優しくフレンドリーなのです。

Skekses：そういったキャラクターたちみんなの成分と、「他のチャンピオンの姿を真似できるチャンピオン」というゲームプレイ要素が、ニーコというチャンピオンを仕上げるための完璧な材料となりました (^_^)

ニーコは純粋なヴァスタヤシャイ＝レイではありませんが、大多数のヴァスタヤよりはそれに近い存在です。ウーヴィ・カット族は大昔にヴァスタヤ族から離れ、その後はほとんど隔絶された環境で生きていました。ですから、彼らの魔法は他のヴァスタヤたちよりも純粋で原始的です。また、ニーコの系譜には人間の血はほとんど入っていません。

ヴァスタヤが人間と結んだ協定のせいで衰退する前の状態に戻りたいと望む者（ザヤのような）は、ニーコに出会ったら取り乱してしまうことでしょう。強い精神エネルギーを持つニーコを少し羨ましく思うかもしれません。でも同時に、自分が思っていたほどヴァスタヤは衰退していないんだと知って、希望を持つかもしれませんね。

ニーコは新しい食べ物を試すのが大好きですが、今のお気に入りはチーズパンです。ヴァロランにあるチーズパンも、故郷の仲間が作ってくれたそれに似たペストリーも、どちらも好きです。ところで、チーズパンを最初に考えたのって誰なんでしょう？

Black Market Brawlers（英語ページ）に登場したアイテムのTrickster’s Glass（英語ページ）にも擬態メカニズムがありましたが、それは特別にシステムを作ったのではなく、既存のコードをいくつも組み合わせて開発されたものです。しかしニーコの場合は、擬態メカニズムを完全にサポートするシステムを設計する必要がありました。単に擬態コードを書き換えるだけでなく、バフとデバフを含むクローンの相互作用など、既存のシステムのクリーンアップも必要でした。ニーコの固有スキルには、修正が必要なちょっとしたバグやエッジケース（特殊な状況下でのみ発生する可能性がある問題）もありますが、今回の新たなコードのおかげで、膨大な量の特殊処理を行わずとも、システマティックにそういった問題を解決できるようになったのです。

擬態やクローンといったゲームプレイは非常にインタラクティブで、効果的にプレイするにはリスクを冒す必要があるため、私たちはニーコの射程を比較的短くしました（それは、なぜ“トラップの巣”をアルティメットスキルにしなかったかということにも関係しています）。「遠隔チャンピオンとして集団戦の真っただ中に飛び込む」という、普通じゃない「勝つために必要とされる条件」は、うまい具合に敵を欺いたニーコ使いにより多くの見返りをもたらすでしょう。

なし。その質問は、なしです。

（産みません）