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バトルキャスト イラオイ:コンセプト構想

プレイヤー投票で決まった「バトルキャスト イラオイ」の制作が始まります。

Nerp1186による

投票が終わってファン投票1位となったイラオイの次なるスキン「バトルキャスト イラオイ(仮名称)」のコンセプトを固める時が来ました。ただしコンセプトを最終決定する前に、テーマとなる世界観の細かな設定を決める必要があります。

バトルキャストの世界観とは?

バトルキャストスキンには金属やテクノロジー要素が多く使われているものの、それらは美しいとはいえず、また不完全です。滑らかに輝くPROJECTスキンや、デジタル/サイバーなプログラムスキンとは対照的に、バトルキャストスキンはSFながらもそれほど技術の進歩を感じさせず、汚れていてレトロな印象を与えます。

さらに、この世界においてなぜイラオイが特別な存在であるのかも明確にしておく必要があります。彼女は機械ではなく、機械に抵抗する有機生命体です。このことは、スキンへのアプローチにどう影響するのでしょうか?

イラオイのバックストーリー

スキンのコンセプトを考えるにあたっては、単にテーマをコピペのようにチャンピオンに貼り付けておしまいにするのではなく、平行世界のルーンテラにおいてテーマとチャンピオンを納得のいく形で融合させる方法についてよく考えなくてはなりません。バトルキャスト イラオイに関しては、彼女は何者なのか、何故そこにいて、巨大なロボットの頭を抱えているのかについて、手短にバックストーリーを考えてみました。

戦争によって荒廃した世界で創造主ビクターは機械の軍勢を率い、人類を狩り尽くそうとしていた。しかし、彼の計画は早々に問題に直面する

ビクターはイラオイを同化しようとしたが、彼女の力は強過ぎた。イラオイは拘束を振りほどくと、新たに手に入れたロボットアームだけを武器に巨大な機械衛兵の頭をもぎ取り、そのまま持ち去った。彼女はすぐに、自分の体に埋め込まれたインプラント、ビクターの機械や彼の中央コンピューターシステムを操作できることに気付そしてイラオイはシステムをハッキングして安全な場所まで脱出すると、そこで反逆のための計画を立て始めた。

イラオイの服装はなかなか意見がまとまりませんでしたが、最終的にプレイヤーが投票したコンセプトと、キャラクターとしてのイラオイに合ったものの間を取ることにしました。

どんなスキンにおいても重要になるキーポイントは、レーンで目にした時に、そのテーマやストーリーが瞬時にプレイヤーに伝わるかどうかです。アイデアをスケッチとして描き出す前に上に書いたようなストーリーを考えておくことは、デザインの方向性を決めるのに役立ちます。彼女の服装や機械油(マシンオイル)を使った戦化粧、色彩設計、そして巨大なロボットの頭などは、すべてこのストーリー*を伝えるために選ばれたものです。

残った仕事は、モデルとビジュアルエフェクト、アニメーション、効果音を使って、イラオイを機械の軍勢の前に立ちはだかる、最強のレジスタンス兵に仕上げることです。

*今回紹介した走り書き的なストーリーは、チャンピオンのしっかりした物語というよりはインスピレーションを得るためのものなので、ときには内容が変更されたり、公式設定としてはほぼもしくは一切語られない場合もあります。

触手

触手はイラオイというキャラクターを決定づける要素なので、良いスキンを作るにはこの触手をしっかりと表現することが欠かせません。

初期のコンセプトでは機械の手にすることが決まっていたものの、ゲームプレイチームからのフィードバックによって、このアイデアは問題を含んでいることが判明しました。

手のコンセプトは投票時に非常に人気でしたし、これほど大きな方向性の修正は、私たちとしてもあまり軽々しく行えるものではありません。しかし残念ながら、これも開発プロセスの一部であり、私たちお気に入りだった要素も含めて、面白いアイデアが最終的にリリースされずに終わるのも珍しいことではないのです。ゲームプレイチームは問題になる理由について、こう教えてくれました——イラオイの開発中にチャンピオンチームが色々な触手のデザインを試してみたところ、“固い”触手や背景が透過しない不透明な触手ではアルティメットスキルを使った時に何が起こっているのかが見えなくなり、集団戦が困難になってしまった、と。集団戦は元々把握しにくく、ロボットの手が半透明になるというのもおかしな話なので、私たちは他にいいアイデアがないか考えてみることにしました。

あるライアターが指摘したことで、誰もが“集合体恐怖症” の何たるかをコンセプトBから学びました。もっと“固い”金属の触手は、ロボットの手の触手と同じく、背景が見えなくなる問題を抱えていました。
「これらの案はどれもいいね。でもバトルキャストというよりは“無限の闇”に近い印象を受けるかな。Cはかなり近いと思う。内部のケーブルが覗いている感じが非常にいい。もっとハードにエッジを効かせて、滑らかなチタンというよりゴツゴツした鉄の感覚にすれば完成に近づくはずだ。バトルキャストは戦車や武装トラクターみたいな感じにすべきで、このままだとクールなSFという印象が強過ぎると思う」 – MechaHawk、アートリード

私たちが考えたアイデアのひとつは、触手が動いていない時は不透明にするものの、攻撃中は半透明にしてゲームプレイの問題を回避することで、はっきりとした実体を持った見た目を与えようというものでした。しかし、このアプローチでは触手のアニメーションを一から作り直す必要があったので、発想は良かったものの、別のアイデアの模索を続けることになりました。

不透明から半透明に変わる触手の簡単なコンセプト実証

最終的に、以下のアイデアで完成に少し近づきました。

赤色の光はバトルキャストの重要な特徴であり、これらの新たな触手はそれを上手く表現しています。これなら大部分が半透明なのでゲーム画面の邪魔にならず、それでいてバトルキャストらしい固さも感じられるはずです。次は触手の根元の部分について考える必要があるでしょう(イラオイのビジュアルデザインでは、触手がどうやって生えてくるのかを考えることが大きな課題となっています)。

トーテム

コンセプトストーリーに話を戻します――イラオイは機械衛兵の頭をもぎとり、それを使って安全な場所へと飛び去った。では…その頭の具体的な見た目とは?

彼女のトーテムは武器であるだけでなく、機械たちを遠隔操作できるリモコンでもあり、さらに彼女の主な移動手段でもあります。燃える頭蓋骨はそれにふさわしいとは言えないでしょう。

トーテムのフランベ?

そこで間を取ることにしました。

すべてのパーツを組み合わせる

こうしてスキンの見た目を確定するために必要なものがすべて出揃いました。

これが完成度90%の彼女の姿です。これから開発を進めていく中で細かな調整が必要になるでしょうが、ほぼ完成形と言えます。

コンセプトがほぼ完全に出来上がったので、次は彼女のスキルをバトルキャストの世界観と融合する方法を考えていきます。

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